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令和 2年第371回定例会(第4号 9月18日)

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  1. 愛媛県議会 2020-09-18
    令和 2年第371回定例会(第4号 9月18日)


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    令和 2年第371回定例会(第4号 9月18日) 第371回愛媛県議会定例会会議録  第4号 令和2年9月18日(金曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 田 晃太郎   2番  山 崎 洋 靖   3番  石 井 智 恵   4番  中 野 泰 誠   5番  西 岡   新   6番  菅   森 実   7番  浅 湫 和 子   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  武 井 多佳子   12番  田 中 克 彦   13番  西 原   司   14番  塩 出   崇   15番  高 橋 英 行   16番  川 本 健 太
      17番  帽 子 大 輔   18番  大 石   豪   19番  菊 池 伸 英   20番  古 川 拓 哉   21番  兵 頭   竜   22番  松 下 行 吉   23番  宇 高 英 治   24番  大 西   誠   25番  松 尾 和 久   26番  木 村   誉   27番  石 川   稔   28番  梶 谷 大 治   29番  西 田 洋 一   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  徳 永 繁 樹   33番  笹 岡 博 之   34番  鈴 木 俊 広   35番  毛 利 修 三   36番  赤 松 泰 伸   37番  本 宮   勇   38番  高 山 康 人   39番  戒 能 潤之介   40番  渡 部   浩   41番  越 智   忍   42番  横 田 弘 之   43番  西 原 進 平   44番  中 畑 保 一   45番  明 比 昭 治   46番  岡 田 志 朗   47番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         田 中 英 樹  副知事         八 矢   拓  公営企業管理者     山 口 真 司  総務部長        高 石   淳  企画振興部長      金 子 浩 一  スポーツ・文化部長   大 北   秀  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      岸 本 憲 彦  保健福祉部長      高 橋 敏 彦  経済労働部長      東 野 政 隆  農林水産部長      馬 越 史 朗  土木部長        葛 原 健 二  会計管理者出納局長   菅   規 行  教育長         田 所 竜 二  副教育長        仙 波 純 子  人事委員会委員     大 内 由 美  公安委員会委員長    曽我部 謙 一  警察本部長       篠 原 英 樹  監査委員        永 井 一 平  監査事務局長      井 関 浩 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        小 坂 泰 起  事務局次長       矢 野   等  参事総務課長      松 本 賢 固  議事調査課長      鳥 生 敬 央  議事調査課主幹     二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第102号議案ないし定第120号議案 ┌────────────────┐ │(注)議席番号は、新型コロナウ │ │   イルス感染防止対策として │ │   間隔を空けて着席するため │ │   に設けた議席を含めた臨時 │ │   の番号である。      │ └────────────────┘      午前10時 開議 ○(戒能潤之介議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者に大西誠議員、西田洋一議員を指名いたします。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) これから、定第102号議案令和2年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第120号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(明比昭治議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 明比昭治議員   〔明比昭治議員登壇〕 ○(明比昭治議員) (拍手)おはようございます。  今回も質問のトップバッターに立たせていただきました。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  さて、今年は予期せぬ新型コロナウイルスが我が国はもとより世界中に感染拡大し、早期に治療薬やワクチンの開発が待たれていますが、収束の兆しはいまだ見えず、不安感が拭えず、社会生活の在り方さえ構造的に変わらざるを得ない状況を引き起こしています。私たちはこの現実に向かい合い、立ち向かい、対処する必要性に迫られています。さきの代表質問でも、皆さんそう受け止めての質問がありました。私もそのような思いを込め、質問に入らせていただきます。  まず、地方創生の取組の推進についてお伺いします。  私の地元である西条市は、民間の出版社宝島社の2020年版住みたい田舎ベストランキング若者世代部門で第1位を獲得しました。これは、起業家が地域と協働しながら3年以内に起業と定住を目指すローカルベンチャー誘致・育成事業が若者世代に高評価を得ているからであり、実際に移住者の増加にもつながっております。  この取組は内閣府の地方創生推進交付金を活用した事業で、先月27日には北村地方創生担当大臣が西条市のコワーキングスペース紺屋町deinや西条市アウトドアオアシス石鎚などを視察されたところであり、我が党会派の若手議員を中心として10名で、9月2日に私たちも西条市を訪問、地域おこし協力隊の移住支援の取組などを研修してまいりました。  一方、県では、2015年10月に県版まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、昨年度までの5年間、本県が直面する人口減少問題の解消に向けて取り組んでこられました。  そして、本年3月には、第1期の枠組みを基本的には継承しつつも、デジタルシフトや関係人口、SDGsなどの新しい視点も加えながら第2期となる総合戦略を策定し、地方創生に向けた取組を強力に推進していただいているところであります。  そういった中、新型コロナウイルスの感染拡大により、我々の置かれている環境は大きく変容をしてまいりました。人と人との接触を避ける生活スタイルが定着し、人の消費行動や生活面、仕事面におけるスタイルにも大きな変化が現れてきております。  このような状況を踏まえ、国では、本年7月に閣議決定したまち・ひと・しごと創生基本方針2020において、今後の地方創生の方向性としてデジタル改革を推進し、東京圏への一極集中の是正に向けた移住・定住の推進や関係人口の創出・拡大などの取組を強化していくとしており、今後は、地方がいかに魅力を創出し、創意工夫により人を呼び込んでいけるかが問われ、さらに地域間の競争に拍車がかかるのではないかと懸念をいたしております。  地域住民がその地で生活していくためには、日常の買物や医療環境などの基本的な社会生活基盤の機能が維持され備わっていなければならず、それらの要因が外からも人を呼び込み、地域が元気になる要素でもあります。県におかれましては、さらに他の地域にはない独自性のある取組を推進し、地域間競争を勝ち抜き、愛媛ならではの地方創生の実現を図っていただきたいと願うのであります。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナの影響により、新たな日常と呼ばれる新しい生活様式への対応が求められる中、県ではどのような点に重点を置いて地方創生の取組を推進していくのか、お聞かせください。  次に、新しい生活様式への対応や新しいビジネススタイルの定着に向けた事業者への支援についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の発生からおおむね8か月が経過し、その影響による経済の停滞はリーマンショックとは比較にならない100年に一度の危機とも言われており、民間の調査機関のデータでは、負債額が1,000万円以上の新型コロナ関連の経営破綻は、9月8日時点で全国で500件にも上り、また、厚生労働省の発表によると、解雇や雇い止めは見込みを含めて5万人を超えるなど、事業者の経営環境や雇用の維持に大きな影響を及ぼしております。
     このような中、県におかれては、これまで事業の継続に必要な資金確保に万全を期するため、日本政策金融公庫の無利子・無担保融資の利用の呼びかけに加え、市町と連携して県単独の感染症対策資金を無利子化されたほか、将来に向かって事業の効果が続く取組を支援する県独自のえひめ版協力金パッケージ観光関連業界を支援する宿泊旅行割引制度、さらには、感染拡大予防ガイドラインの定着支援などの経済対策を次々に打ち出されており、知事を筆頭にして県庁挙げて県内経済を下支えし、この難局を乗り越えようとする不断の努力に敬意を表するものであります。  また、国や県から事業者向けに様々な支援策が打ち出される中、事業者からは各制度の中身が分かりにくいなどといった戸惑いの声も上がっていますが、県ではそれらの声に応え、各地方局や商工団体等に相談窓口を設置しているほか、えひめ産業振興財団には特別支援員を配置し、非常に多くの県民からの申込みを的確に処理し、円滑な支援の実施に努められており、大変心強く感じております。  新型コロナウイルス感染症との闘いはいまだ収束が見えない状況にあり、事業者はこの見えない敵と真正面から向き合いながら事業を続けていくことになりますが、そういった中においても、全国には外出自粛に伴う食へのニーズの変化や消毒用アルコールの需要の増加など、新たなニーズに対応するために積極的な投資を行う中堅・中小企業があるほか、社員のリモートワークを率先して進めたり、新たな事業展開に向けてM&Aを検討したりと、多くの企業がこの環境の変化に関心を持ち、懸命に対応しようとされております。  県内でも、巣籠もり需要の取り込みを図ろうと主力製品群の生産能力を2割増強する企業があるとの報道も目にいたしました。長期化が予想されるコロナ禍において、県内経済の回復に向けた取組を進めていくためには、新しい生活様式に対応した商品の開発や、新しいビジネススタイルの定着に向けた設備やシステムの導入など、自粛ムードから引っ込み思案となり、経済活動の萎縮につながることのないよう、新たなビジネスチャンスの獲得に向け、前向きに取り組む事業者を積極的に支援し、経営力の向上と感染拡大の防止を併せて図っていくことが必要不可欠であります。  そこで、お伺いします。  今後のウィズコロナ時代を見据えた事業展開が必要となる中、新しい生活様式や新しいビジネススタイルの定着に向けた商品開発や設備投資を行う事業者の支援にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業についてお伺いします。  新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受け、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会だけではなく、国内の大規模なスポーツイベントが次々と中止や延期に追い込まれるなど、スポーツ関係者にも厳しい対応が迫られました。現在は、感染予防対策を徹底して様々な代替大会が開催されておりますが、感染者やクラスターの発生により、予定の試合は急遽中止になることもあり、いまだ予断を許さない厳しい状況が続いています。  また、学生スポーツにおいても、全国高等学校総合体育大会や夏の甲子園高校野球大会等が相次いで中止になりましたが、その中にあっても県民の温かい励ましの声が後押しとなり、多くの競技で代替大会が開催されましたことは大変意義深く、参加した生徒にとって貴重な思い出となったものと感じており、日程調整や会場確保など山積する課題を乗り越えながら開催に向け御尽力された学校、競技団体、関係機関など数多くの関係者の方々に心から敬意を表するところです。  さらに、県におかれては、次世代を見据えた選手の発掘・育成に関し、確実に成果を上げているえひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業を例年どおりに開始はできなかったものの、学校再開後の6月から育成プログラム等を段階的に開始し、現在は通常に近い形で実施できていると聞いております。  加えて、今年度は先進的な体力測定機器を備えたえひめハイパフォーマンス測定室を開設し、スポーツ医科学的なサポートの充実を図り、えひめ愛顔のジュニアアスリートのさらなる資質・能力の向上及び本県アスリートの確実な競技力の向上を目指すとも聞いており、東京オリンピックの先を見据えた取組に大いに期待をしているところであります。  ウイルスとの闘いはまだまだ続くと思われます。子供たちに勇気と希望を与え、こうした厳しい環境にも立ち向かっていくためにはスポーツの力が絶対に必要と考えており、スポーツ少年団の育成をライフワークとして取り組んできた私としては、今後も、本県スポーツ界の将来を担うジュニアアスリートが躍動する取組が着実に展開され、子供たちが思い切りスポーツに打ち込める環境が整備されることを切に願うものであります。  そこで、お伺いいたします。  いまだ新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからない中で、えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業に今後、どのように取り組んでいかれるか、お聞かせください。  次に、プラスチックごみの削減対策についてお伺いいたします。  プラスチックは幅広い分野で使用されており、今や私たちの生活に欠かせない存在となっています。その反面、不用意に捨てられると自然界ではほとんど分解されず、海に流出したプラスチックごみによる自然景観や海洋生物などへの悪影響も指摘されているところです。現在、世界では、毎年約800万tのプラスチックごみが海洋に流出していると推計され、その削減は世界共通の課題となっています。  このような中、2015年の国連総会で採択された持続可能な開発目標SDGsでは、海の豊かさを守ろうという目標が掲げられ、2025年までに海洋ごみや富栄養化を含むあらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減することなどが求められたほか、2019年6月のG20大阪サミットでは、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが共有されました。  このため、我が国においても、プラスチックごみの削減を目指して、本年7月1日から小売店で配布するプラスチック製レジ袋の有料化を義務づける新たな制度が全国でスタートしました。それから約3か月経過しましたが、近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、買物客がマイバッグを持参する姿が数多く見かけられるなど、消費者にはある種戸惑いを感じながらも広く受け入れられているものと感じています。大手コンビニチェーンでは、買物客がレジ袋を辞退する割合は、有料化前の3割から7割超に大きく跳ね上がり、業界が掲げた2030年度までに6割という目標を早くも上回ったとのことであります。  また、県内においても、海中や土壌で分解する生分解性プラスチックの開発や紙製品等のプラスチック代替製品の開発・販売に取り組む企業があり、また、その代替製品を導入する店舗等も増加しており、脱プラスチック社会の実現に向け、着実な前進が見られます。  一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により、医療用の使い捨てマスクや手袋などの衛生面に優れたプラスチック製品の需要が増えているほか、テークアウトやデリバリー用の弁当容器やカップなどの使用量が増加し、家庭から排出されるプラスチックごみも増加傾向にあると聞き及んでおり、使い捨てプラスチックの削減は難しい問題であることを改めて実感しております。しかし、できない理由づけを求めず、こうするのだとの強い決意で取組の方策をみんなで考えたいものであります。  このような中、県におかれましては、今年3月にプラスチックごみの削減を計画的かつ総合的に推進するため、市町と連携して、えひめプラスチック資源循環戦略を策定されました。瀬戸内海や宇和海といった本県の豊かな海を今後、次世代に継承していくための海洋プラスチックごみの削減対策をはじめとして、同戦略に基づく様々な施策が力強く展開され、本県のプラスチックごみが削減されていくことに、県民の一人として大きく期待を寄せているところであります。  そこで、お伺いします。  県では、今後、このえひめプラスチック資源循環戦略に基づき、プラスチックごみの削減にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、瀬戸内海における漁業振興についてお伺いいたします。  本県は、瀬戸内海と宇和海という異なる性格を有する漁場に恵まれ、多種多様な魚介類を対象にそれぞれの海域特性を生かした漁船漁業が営まれております。その漁獲量は平成30年には約7万5,000t、金額にして約203億円と全国屈指の生産額を上げており、日本一の養殖業と並んで地域経済を支える重要な産業となっております。  瀬戸内海では、マダイやサワラなどに加え、クルマエビやバカガイなどの多くの魚介類が生息し、漁業者は様々な漁法でこれらを捕り、生計を立てております。中でも、アサリ、バカガイ、オオノガイなどの二枚貝は、私の地元であります西条市の沿岸域に広がる干潟において、かつては大量に漁獲され、漁業者のみならず、多くの潮干狩りの客でにぎわったものであります。  また、ワタリガニとも呼ばれるガザミは、カニの中で最も美味だと言われており、これからが旬の食材で、東予地方の秋祭りには欠かせないごちそう、食材であります。漁獲量は全国でも上位を維持しており、漁業者も価格向上のためのブランド化に加え、持続的に漁獲量を確保するため稚ガニの放流だけでなく、一度漁獲した産卵直前の親ガニは再放流するなど、資源管理に自主的に取り組んでいると聞いております。  しかしながら、このような地道な努力にもかかわらず、近年は水産資源の減少が続いており、瀬戸内海におけるガザミの漁獲量は、ピーク時である昭和57年の722tから、平成30年には124tに減少しており、アサリに至っては、昭和45年の7,355tから、近年は1tにも満たないまでに激減をいたしております。これらの原因については、乱獲のほか、干潟の減少や地球温暖化に伴う水温上昇などによる生息環境の変化などが考えられており、漁業資源を回復させるためには、近隣県との連携も視野に、科学的な知見に裏づけられた資源管理や種苗放流を一層効果的に行うことが重要でないかと考えております。  私は、平成17年2月議会の一般質問でも、瀬戸内海の豊かな魚介類の資源回復を目指す取組を求めての提言もさせていただきましたが、これも受け止めていただき、県ではこのような状況を踏まえ、サワラの資源回復やアサリの増殖技術開発など様々な調査研究に取り組まれ、今年度からはさらに、ガザミの子供が流れ藻から多数見つかることに着目して、新たな技術開発に地道に取り組んでいると伺っており、その中心的な役割を担っている栽培資源研究所には大きな期待を寄せているところです。  そこで、お伺いします。  アサリや流れ藻についての研究成果を瀬戸内海の漁船漁業の振興にどのようにつなげていこうとしているのか、お聞かせをください。  最後に、私の政治家としての重要な政策課題である東予港の港湾整備についてお伺いします。  東予圏域では、昭和39年の新産業都市の指定を受けて以来、臨海部に各所で大規模な工業用地の造成を行い、地元西条市は県の力強い御支援を得て、百年の大計の下に進められた臨海部の100万坪の埋立てによる工業用地の造成により四国屈指の工業集積地に成長し、幅広い産業構造の企業が多く立地いたしております。  東予港は、それらの企業が原材料とする金属や化学製品等を海外から調達したり、国内他地域から貨物輸送したりと物流の要となっており、地域の産業発展や安定した雇用の場の創出に重要な役割を果たしてきました。中央地区では、耐震強化岸壁の整備により、大型フェリー航路が安定確保され、さらに、大規模地震発生時における緊急物資輸送拠点としての役割も担うことになっております。  しかしながら、東予港は遠浅の地形であるがゆえに、臨海部の一部の企業からは、事業拡大や新規事業展開のための工業用地や岸壁等の整備をさらに求める声が上がっているとともに、航路・泊地の水深が十分に確保されていないことから、堆積土砂の早期のしゅんせつが喫緊の課題となっております。  海上輸送へのモーダルシフトが進む中、船舶の大型化に対応できなければ、経済活動の血管とも言われる物流の確保が損なわれ、地域の産業振興にとって大きな障害となりかねません。そのため、航路の水深の確保が課題となっている東予港西条地区の近隣の立地企業からは、早期の航路・泊地のしゅんせつを熱望されております。県におかれましては、地元企業で構成する東予港港湾整備促進期成同盟会の要望や西条市等とも十分連携を図りながら、航路・泊地のしゅんせつに早期に取り組んでいただきたいと強く願うものであります。  このコロナ禍により、製造業のサプライチェーンの国内回帰が進むだろうと言われており、今後、積極的に企業誘致や地元企業の製造施設の増強等を促進させていくためには、工業用地が必要となってまいります。しかし、新たな企業誘致のための用地は慢性的に不足している状況にあり、現在、埋立て中の西条地区の廃棄物処理用地の竣功が間近に迫っていることも踏まえますと、しゅんせつした土砂の新たな処分地としての埋立地の整備も必要ではないかと考えております。  さらに、国が今年6月に策定した四国港湾ビジョン2040に、災害発生時の災害廃棄物の受入先が求められるとの提言もあります。今後、新型コロナの影響もあり、地域経済の置かれている環境は大きく変化していくものと想定されますが、そのような状況であるからこそ、地元企業の事業展開を後押しする点においても、将来を見据えたビジョンを示していくことが重要となります。県におかれましては、東予港の整備方針を示す港湾計画の見直しも含めて検討をいただきたいと思うのであります。  そこで、お伺いします。  製造業の多い東予地域には、早期の航路・泊地のしゅんせつとともに、埋立地の整備も必要不可欠と考えておりますが、県では東予港の現状をどのように認識し、今後、どう取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  以上で私の今回の質問を終わりますが、先般、7年8か月余りで憲政史上最長の任期を務められ、デフレから日本経済の安定化へと政策を遂行された安倍総理が持病の体調不良もあり、思いがけず辞意を表明されました。自民党では、政治の空白をつくらまいと速やかに両院議員総会において党の総裁選挙を実施し、安倍総理を官房長官として二人三脚で支えてこられた菅義偉さんが総裁に選出され、16日の臨時国会で首班の指名を受け、第99代の内閣総理大臣に就任されました。  菅総理は、安倍政権の取組を継承しながら、まず、国民が求める新型コロナウイルスの収束に全力を挙げる。さらに、政治に取り組む姿勢として、行政組織の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打ち破るとともに、規制緩和を進めるとの決意が示され、また、地方を大切にしたい、地方を元気にしたいとの思いも表明され、国民のために働く内閣を各分野で専門的な見識を持ちながら改革にも意欲のある人で組閣し、国民の高い期待感を得て、高い支持率で菅政権がスタートいたしました。さすが市議会議員からスタートし、総理総裁まで上り詰めた苦労人の信念もうかがえ、頑張ってほしいとエールを送るとともに、自助・共助・公助、そして絆との政治理念も共有しながら、私たちも共に豊かで安全・安心な新しい社会づくりに全力を尽くしてまいることを誓い合って、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 明比議員に、まず、地方創生の取組、推進に関する御質問にお答えをさせていただきます。  新型コロナウイルスの感染拡大が県民生活や地域経済に甚大な影響を及ぼす中、地方創生を進めていくためには、何よりも県民の安全・安心を確保し、暮らしを守り抜くことに最優先で取り組むと同時に、危機をチャンスと捉え、ウィズコロナ社会においても持続的な成長を可能とするため、デジタル改革や移住促進等の布石を迅速に打っていくことが重要であると考えます。  このため、あらゆる政策手段を総動員し、感染拡大防止はもとより、県内企業等の事業継続や雇用の維持等の支援に全力で取り組むとともに、将来に向かって効果が生きていくえひめ版協力金パッケージの創設をはじめ、県内企業の経営基盤の強化につながる設備導入や、新しい生活様式に対応した商品開発等に対する助成制度などを矢継ぎ早に打ち出し、地域の産業力の底上げや新規需要の創出を図る取組を強力に支援しているところでございます。  また、コロナ禍により大都市圏の住民や企業の地方への関心が高まる中、他県に先駆けて、テレワーカーやサテライトオフィスなどの誘致に着手をし始めたほか、デジタル技術を活用し、県内企業や農林水産業者の販路拡大を支援するECサイトの開設やウェブ商談会の開催、地域課題を解決する官民対話型プラットフォームの構築等にも取り組んでおり、今後とも、感染予防と社会経済活動のバランスを図りながら、本県独自の実効性のある地方創生の取組を進めていきたいと思っております。  次に、商品開発や設備投資を行う事業者支援についての御質問でございます。  感染症の影響により、多くの事業者が需要の縮小に苦しんでおり、事業の継続を支援するため、県では、無利子の県単融資制度により強力に企業の資金繰りを支援するとともに、えひめ版協力金パッケージにより、厳しい中でも新たなビジネス展開にチャレンジする事業者を支援し続けてきたところでございます。  また、巣籠もり需要や衛生意識の高まりなどの新しい生活様式に対応した商品開発等を支援する新たな補助制度を創設し、養殖魚や柑橘など本県の地域資源を活用した加工食品、あるいはノンアルコール殺菌水の開発等を支援しているところでございます。さらに、非対面・非接触など感染予防の取組を織り込んだ新しいビジネススタイルの定着に向け、国の交付金を活用しまして、換気設備や衛生関連設備などの導入を補助する支援制度も先般創設したところ、予想を上回る申請がありまして、厳しい経営環境の中でも先に進もうとする事業者の姿勢に、逆風に挑む力強さを感じているところでございます。  今後とも、新しい生活様式等を踏まえながら、落ち込んだ経済活動を少しでも回復できるよう、前向きに取り組む事業者をしっかりと支援し、実需の創出に努め、地域経済の立て直しに向けて取り組んでまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(大北秀スポーツ・文化部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 大北スポーツ・文化部長   〔大北秀スポーツ・文化部長登壇〕 ○(大北秀スポーツ・文化部長) えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業につきましてお答えいたします。  開始6年目となる本事業では、競技団体等によります的確な適性評価や手厚いサポート等に支えられ、昨年度、5名の国際大会出場者や4名の中央競技団体強化指定選手を輩出するに至っておりまして、成果が上がってきつつあると感じますとともに、近い将来、こうした選手たちが世界を舞台に活躍することを大いに期待しているところでございます。  こうした中、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、4月から2か月間、計画していた育成プログラムが全て中止となるなど苦しいスタートとなりましたが、児童生徒に対しトレーニングやコンディショニング動画の配信等を行い自宅での活動を支援するなど、コロナ禍の中でできる限りのサポートを行ってまいりました。  現在は、ほぼ当初計画どおりに事業を進められるようになり、8月には待望のえひめハイパフォーマンス測定室も開設いたしましたことから、今後は、十分な感染症防止対策を講じた上で着実に取組を進めますとともに、この最新の体力測定機器を活用し、個々の能力に適応したトレーニングメニューの作成やけがの防止など、スポーツ医科学に基づくサポート体制も強化することで、さらなるジュニアアスリートの発掘・育成に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) プラスチックごみの削減に関する御質問にお答えをいたします。  プラスチックごみの削減は、SDGsに掲げる海洋環境の保全や持続可能な循環型社会の構築に資する地球規模の課題であると同時に、県民生活に密接に関わる課題であると認識をしております。  このため、県では、本年3月に策定したえひめプラスチック資源循環戦略に、海洋プラスチックごみ対策をはじめ、プラスチック資源循環の促進に向けたリデュースの徹底やリサイクルの推進などを重点戦略に位置づけ、今年度から各種施策の充実強化を図っているところでございます。  具体的には、これまでの削減に向けた普及啓発や海洋プラスチックごみの回収等に加え、効果的な削減対策を講ずるため、本県で初めて海洋プラスチックごみの種類や数量、河川からの流出状況等の調査を進めるとともに、紙等の代替製品の販路開拓や利用拡大に対する助成やプラスチックリサイクルの事業化支援等により削減を推進するほか、SNSによるマイバッグ利用キャンペーンの実施やプラスチック漁具等の回収をテーマにしたシンポジウムを開催するなど、県民意識の醸成に取り組んでいるところでございます。  県といたしましては、今後とも、オール愛媛でプラスチックごみの削減と資源循環を一層促進し、プラごみ対策先進県えひめの実現に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(馬越史朗農林水産部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 馬越農林水産部長   〔馬越史朗農林水産部長登壇〕 ○(馬越史朗農林水産部長) 瀬戸内海における漁船漁業の振興についてお答えをいたします。  県栽培資源研究所では、減少している瀬戸内海の水産資源の回復を図るため、これまでアサリやキジハタなどの増養殖に向けた調査研究のほか、近隣府県や国と連携したサワラやカタクチイワシの資源管理にも取り組んでおり、キジハタやサワラについては漁獲量の増加が見られるなど一定の成果を上げているところでございます。  このうち、燧灘での減少が著しいアサリについては、平成29年度から地元の青年漁業者グループ等と連携して増殖技術の実証に取り組んでいるほか、今後は、河川の河口域に堆積した砂を試験的に干潟に移設し、干潟再生の指標でもあるアサリの成長への効果を確認することも検討しておりまして、多くの水生生物の産卵や幼魚、稚魚の生育の場である干潟の再生につながるものと期待しているところでございます。  また、今年度からは、海面に浮遊する流れ藻がガザミやメバルなどの幼少期の生育場所の一つであることに着目して、流れ藻の機能解明やこれまで培ってきた藻場造成技術と組み合わせた増殖効果の検証などを行うこととしておりまして、これらの地道な試験研究で得られた知見を基に、漁業者や同じ水産資源を共有する近隣府県との連携を図りながら、漁場の改善に取り組むことによりまして、有用資源の再生産力を効果的に向上させ、瀬戸内海の漁船漁業の持続的な発展につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 東予港の港湾整備に関する御質問にお答えをします。  東予港は、背後の工業地域での活発な生産活動や阪神地域との大型フェリーによる輸送などにより、県下1位の貨物量を取り扱う物流・人流の拠点であり、また、防災拠点である重要な港湾として、防波堤や臨港道路耐震強化岸壁などの施設整備を積極的に進めてきたところでございます。  このような中、近年、期成同盟会などから航路と停泊場所である泊地の維持的なしゅんせつや、この土砂を活用した企業誘致等に必要な埋立地の整備を求める要望があり、県では優先順位をつけた上で、計画的にしゅんせつを継続してきたところでありますが、さらなる取組として、県長期計画で位置づけている港湾利用企業と連携したしゅんせつの検討を進めているところでございます。  なお、新たな埋立地については、コロナ収束後の需要の見込みや必要性等について、西条市など関係機関と協議を継続していく必要があると考えております。  県といたしましては、今後とも、地域の発展を支えるため、港湾施設の整備や適切な維持管理に取り組んでいくとともに、コロナ収束後の社会情勢の変化を踏まえ、中長期的な視点に立ち、将来のビジョンや港湾計画の見直しについて、関係機関と連携しながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 暫時休憩いたします。      午前10時43分 休憩    ―――――――――――――――――      午前11時 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(高橋英行議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋英行議員   〔高橋英行議員登壇〕 ○(高橋英行議員) (拍手)八幡浜市・伊方町選挙区選出、志士の会の高橋英行です。
     県内初となる新型コロナウイルスの感染事例が確認された3月2日、当時の西田議長の下、即座に県議会新型コロナウイルス感染症対策本部が設置され、私も農林水産委員長として出席をいたしました。  当本部は、県議会基本条例に基づく有事における県議会の責務を果たすべく設置されたものですが、この責務は、西日本豪雨を受け、有事において、県議会としてなすべきことがあるとの思いから私が提案し、その思いを受け止めていただいた当時の鈴木議長の下に条例が改正され、大規模災害その他緊急事態への対応として規定された経緯があります。  当時、その他緊急事態としては、北朝鮮のミサイルやISによるテロ等の万が一を想定しており、まさかウイルスが対象になるとは全く想像できず、未知の存在に恐怖したことを思い出します。この難局の収束を最優先課題に掲げ誕生した菅新政権に期待をし、本県においても、明日への希望の花を咲かせる令和時代の変革の好機と前向きに捉え、中村知事を先頭に、オール愛媛で乗り越えていただきたいと存じます。見えない敵を知り、正しく恐れ、共存するウィズコロナの時代に向け、私も全力を尽くしてまいります。  それでは、「いつまでも暮らしていける南予に、そして愛媛に」実現に向け、今回は経済企業委員長として、地域の声の代弁者として質問をさせていただきます。  最初に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域経済の立て直しについてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症は、1月に国内初の感染者が確認されて以降、徐々に拡大を続け、連日数百名の感染者が確認されるようになった4月、国が緊急事態宣言を発出し、国を挙げて感染拡大防止に努めた結果、感染が落ち着き始めましたが、宣言解除以降、経済活動の再開に伴い、感染者は再び増加に転じ、1日の感染者が1,000人を超えるなど、感染第2波とされる状況に陥りました。現在では、感染者が減少傾向にあるものの、これは企業も含め、社会経済活動の主体となる国民一人一人による感染拡大防止に向けた不断の努力の表れにすぎず、まだまだ油断できないと認識いたしております。  影響が長期化する中、経済への打撃は甚大で、先般発表された実質国内総生産は、年率換算でマイナス28.1%という戦後最大のマイナスを示し、6月の日銀短観では、大企業製造業の業況判断指数がマイナス34ポイントと、リーマンショック以来11年ぶりの低水準となるなど景況感も悪化。県内を見ても、日銀松山支店が公表した県内金融経済概況には、前回に引き続き、「弱い動きが続いている」と記されております。  さらに、私の地元八幡浜市でも、八幡浜商工会議所による6月期の市内景気動向調査では、卸売業や小売業を中心に売上高が減少した企業は70%で、前年同期の28%、3月期の50%から大きく増加し、総合景況感においても悪化が68%と前年同期の30%、3月期の47%と比較しても景気の後退が見られ、感染者は発生していないものの、従来、少子高齢化や人口流出、デジタル化の遅れなど、多くの地域課題を抱え、経営基盤の脆弱な中小企業が多いことから、都市部と比較して、一層深刻な状況にあると考えています。  八幡浜市ではこれまで、4月初めに経営者有志が立ち上がり、「コロナに負けんなや!つながる八幡浜プロジェクト」として、飲食店等の当面の運転資金を供給する前払い制チケットを県内でいち早く発行したほか、保内町商工会では、飲食店を支援するテークアウトオーケーのぼりの制作、みなと交流館ではテークアウト・スタンプラリーの実施など、地域の事業者が主体となった取組が進められております。  また、市でも商工会議所等と協力し、テークアウトが可能な飲食店リストを製作するほか、先月末には、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した2万円分を1万円で購入できるスーパープレミアム付商品券の販売を開始しており、また、黒い商店街で有名になった新町商店街では、この商品券を活用した現金総額100万円が当たる大抽せん会を開催するなど、コロナ禍での地域経済の活性化に懸命に取り組んでいるところです。  県では当初から、事業者の資金繰り支援や雇用の維持に迅速に取り組むとともに、他県とは異なり、休業補償と協力金を切り分けて考えた県独自のえひめ版協力金パッケージを打ち出し、先行きの不透明感を不安に思う県内事業者を力強く後押しするほか、感染拡大予防ガイドラインの普及促進や、デジタル技術を活用した新たなビジネススタイルの構築への支援にも取り組み、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け、適時適切に経済対策を打ち出されていることに敬意を表する次第です。今後も、見えない敵との闘いに終わりが見えない中で、地域ごとの現状にきめ細かく目を配りながら、中長期的な視点に立った取組が求められるものと考えています。  そこで、お伺いいたします。  県では、多くの課題を抱える地域の現状を踏まえながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域経済の立て直しにどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、県立病院についてお伺いいたします。  県立病院は、民間医療機関では対応が困難な救急医療、周産期医療、災害医療など、政策的に実施すべき医療分野のほか、地域の中核病院として、心疾患や脳疾患等の急性期医療を提供する役割・機能を担っており、特に中央病院は、県民医療の最後のとりでとして、重篤患者を受け入れる三次救急や高度医療を担う中核拠点等の機能を有しております。  また、新型コロナウイルス感染症への対応においても、中央病院の医師が県新型コロナウイルス感染症調整本部の患者搬送コーディネーターとして、入院患者等の受入れ調整や搬送調整に当たるなど、中心的な役割を果たされるとともに、何よりも最前線に立つ感染症指定医療機関として、医療従事者の皆様が県民の期待に応えるべく強い使命感を持ち、感染リスクを顧みず、昼夜を問わず奮闘されることに心から敬意と感謝を申し上げます。  県もこれまで、感染拡大と医療崩壊を防ぐため、国の交付金等を効果的に活用し、累次にわたる補正予算措置により、県立病院における検査体制の強化や高度な医療を提供するための機器整備、病床確保、衛生環境整備等に対する支援を積極的に展開してこられました。  しかしながら、今後、冬場のインフルエンザ流行期には、新型コロナウイルス感染症との同時流行も想定され、症状では見分けが難しく、発熱した患者が殺到し医療現場が混乱するのではと懸念の声も聞かれることから、県においては、時勢の変化に十分に留意しつつ、引き続き医療提供体制の整備に努めていただきたくよろしくお願い申し上げます。  一方、経営面では、さきの6月議会において、過去にない規模の経常赤字も危惧される極めて厳しい経営状況である旨の答弁があり、大変心配しているところです。今後、到来が懸念される感染拡大期においても、引き続きその使命を全うすることができるよう、経営面でも万全を期することが強く求められております。  県立病院では、県立病院機能強化検討委員会を平成27年度に設置し、医療圏域ごとに異なる医療資源や医療需要の動向を踏まえた検討を行いながら、地域に必要な医療を継続的に提供し、かつ健全経営を確保するための中期経営戦略を作成しておりますが、その5年の実施期間が来年3月末をもって終了することから、このコロナ禍にあって、今年度中に新たな戦略を策定する予定と伺っております。  策定に当たりましては、新型コロナウイルスが及ぼす影響とその対応を十分に考慮した上で、県立病院が担う役割・機能の強化と、健全経営の確保に向けた先進的な戦略が求められております。大変な難局ではございますが、県立病院が今後も県民の安心のよりどころとしてあり続けるための中期経営戦略の策定を望むところです。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響を受けた県立病院の経営状況の見通しはどうか。また、それを踏まえ、新たな中期経営戦略の策定にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、伊方発電所の安全対策についてお伺いいたします。  四国電力伊方発電所3号機は、昨年12月に定期検査を開始しましたが、本年1月に重大トラブルが4件連続して発生したため、作業を急遽中断し、中村知事から徹底した原因究明の要請を受け、山田原子力本部長自らが発電所に常駐して陣頭指揮に当たり、原因究明及び再発防止策の策定に取り組んでこられました。  私も、発電所から11㎞の地元住民として、平成6年の運転開始時から見守っておりますが、今回のトラブルには大きな衝撃と、長年にわたり築き上げてきた県や県民との信頼関係を揺るがしかねない重大な事態であると憤りを感じた次第です。  その後、3月に原因と対策を取りまとめた報告書が愛媛県及び伊方町、そして国に提出され、原子力規制委員会は4月の定例会合で妥当と評価しました。県でも、7月の伊方原子力発電所環境安全管理委員会の原子力安全専門部会において適当であると判断し、先月3日、四国電力に対し結果が伝えられました。  その際、中村知事は、伊方発電所の安全対策を国任せにするのではなく、県独自に追求していくとの信念の下、さらなる安全性向上に向けた詳細調査の実施、恒常的な対策による安全性の確保など7項目に取り組むことを長井社長に強く要請するとともに、四国電力が自主的に中断していた定期検査の再開に当たっては、引き続き、えひめ方式による通報連絡体制を徹底するよう求めました。  これに対し、長井社長は、一つ一つをしっかり受け止め、総力を挙げ、安全性向上や信頼回復に真摯に取り組むと述べられ、約半年ぶりに定期検査が再開されましたが、地元の高門町長は、伊方町民の不安払拭には至っていない、失われた信頼感の回復は容易ではないとの認識を示されており、四国電力にはさらなる安全性向上と地元住民との信頼回復を強く望むところであります。  定期検査については、8月中に県外からの作業員約190人が新たに発電所に入構し、その後も順次入構されていますが、四国電力では新型コロナウイルス感染症対策として、4月に特別非常体制を発令するとともに、対策総本部を設置し、入構前2週間にわたって、毎日の健康状態と3密への立入りの有無を確認、異常等が確認された場合には、一定期間入構させないルールを徹底することに加え、県と伊方町の要請により、本日18日から、新規に入構する県外からの作業員を対象にPCR検査を実施しており、発電所構内において、これまで感染者ゼロを維持されています。また、万が一、3号機の運転員等が感染した場合も想定し、事前に代替要員を確保するなど必要な対策が講じられております。  一方、運転再開に向けては、来年3月に異議審の決定が出されるとの報道もありますが、活断層の調査や阿蘇山の巨大噴火リスクの想定が不十分であるとして、広島高裁が決定した運転差止めを命じる仮処分の動向や、四国電力が来年3月の期限から1年程度遅れるとの見通しを示している特定重大事故等対処施設の設置状況など、道筋は不透明となっております。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症への対応を含む四国電力の安全に対する取組姿勢をどう評価しているのか。また、これまで長年にわたり、国のエネルギー政策に協力しながら共存共栄してきた地元住民の生活がかかる伊方発電所3号機について、運転再開の見通しが立たない中、県として安全確保にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、私の選挙公約のトップに掲げ、今回7回目の質問となります大洲・八幡浜自動車道の整備促進をはじめ、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えた八西地域における防災・減災対策としての道路整備についてお尋ねをいたします。  先月末の真夏日、伊予市双海町にて、103の機関から約6,000人が参加して行われた令和2年度愛媛県総合防災訓練を参観いたしました。西日本豪雨災害を踏まえ、大雨による土砂災害と伊予灘沖を震源とする大規模地震の複合災害による被害を想定したもので、防災関係機関はもとより、県民、自主防災組織及び民間協力団体の連携に重点を置いた実践的な訓練が実施されました。  メイン会場での救出救護訓練や道路啓開、ライフライン復旧訓練等のほか、8か所のサブ会場でも地震・津波避難訓練や避難所・救護所の開設・運営訓練、NPO・ボランティア等連携・協働訓練等が行われ、充実した訓練内容であったと思います。  特に避難所・救護所の開設・運営訓練においては、新型コロナウイルス感染症への対策が重視されており、時勢を捉えたより実践的なものでした。炎天下にもかかわらず感染症対策としてマスクを着用し、苛酷な環境の中、緊張感を持って臨んだ本番さながらの総合訓練は、関係機関の日頃の訓練の成果であり、敬意と感謝の意を表すると同時に、災害時にはその力を遺憾なく発揮していただけるものと心強く感じています。  ここで注目すべきは、ほぼ全ての訓練で重要な位置づけとなった道路の役割であり、大規模災害発生時、万が一にもその機能が失われ、被災地へのアクセスが遮断された場合、避難や救助、復旧作業、医療機関への搬送、救援物資の供給等、あらゆる活動が停止することを考えると、改めて災害時における道路の重要性を思い知らされました。  県は、今議会に上程された補正予算において、防災・減災対策としての道路整備に係る経費を計上されており、近い将来起こり得るとされる南海トラフ巨大地震をはじめ、大規模災害への備えとして、道路が担う役割の重要性に鑑みたまさに時宜を得た的確な施策であると認識しております。  私の地元八西地域に目を向けますと、整備が進む地域高規格道路大洲・八幡浜自動車道は、九州から京阪神を最短で結ぶ新たな国土軸として、また、港湾整備と連動し、物流、観光を活性化させる地方創生の道として、そして何よりも大規模災害時の緊急輸送、広域避難において重要な役割を担う命の道として位置づけられ、今年も建設促進期成同盟会により、国や県に対して積極的な整備促進と地方創生の推進等のための道路関係予算全体枠の拡大を要望しているところですが、まだまだ全線開通へは遠い道のりと感じております。  一方、本自動車道の一部、郷高架橋では、西日本豪雨による大規模な地滑りへの対応により、進捗に支障が生じておりましたが、対策工事の完了を見通せる状況になったとのことであり、今後、整備が加速していくことを期待しております。  そこで、お伺いいたします。  八西地域住民が待ち望み、南海トラフ巨大地震発生時には命の道となる大洲・八幡浜自動車道の進捗状況と今後の取組についてお聞かせください。  続きまして、同じく八西地域の主要道路、国道378号の早期整備についてお尋ねいたします。  国道378号は、温州ミカンに代表される豊富な農水産物を輸送するための大動脈であるとともに、通勤・通学や医療・福祉施設へのアクセスなど、地域住民の日常生活を支える重要な交通基盤であり、また、南海トラフ巨大地震や万が一の原発事故等における防災・減災対策の面でも唯一の避難道路、緊急輸送道路として大きな役割を担っています。  今年も整備促進期成同盟会により、大洲・八幡浜自動車道と同様に、国や県に対して整備促進と予算確保を要望していますが、特に幅員狭小区間のうち、日本を代表する優良ミカン、真穴ミカンの産地であり、住民の生活道路としても極めて重要な真網代地区における新規事業採択をはじめ、大釜、上泊拡幅の早期整備、そして祇園橋交差点の改良を強く要望しています。同交差点は、県道八幡浜宇和線が合流し、八幡浜市内中心部へ向かう車により慢性的な渋滞が生じており、加えて歩道もないために、学校に通う子供たちをはじめ歩行者にとって大変危険な箇所となっており、早急な改良が望まれます。  そこで、お伺いいたします。  防災・減災対策としての国道378号の整備状況と今後の取組についてお聞かせください。  次に、西宇和郡唯一の高校、県立三崎高校の存続の鍵を握る全国募集についてお尋ねいたします。  三崎高校はこれまで、過疎化と少子化の影響を大きく受け、新入生41人という再編整備基準の壁は高く、常に分校化の危機と向き合ってきました。しかしながら、高校の存続は地域の存続であるとの方針の下、地域一体となった取組、花橘を守る会による学校の存続と地域活性化に向けた懸命な活動により、ミレニアムベビーの追い風や文部科学省の地域との協働による高等学校教育改革推進事業に指定されたこともあり、過去3度、奇跡的に基準をクリアし、今年度に至っては、寄宿舎の整備や公営塾の開設、そして全国募集等が功を奏し、前年度の約2倍となる57人の新入生を迎えたところであります。そのうち、実に8割以上を占める49人が伊方町外の出身者とのことで、一日も早く地域に溶け込み、三崎高校独自の地域活性化を探求するせんたん部を先頭に取組が進む三崎おこしに積極的に参画し、地域を支える重要な一員として大きく成長されることを期待しております。  特に県外からは、PR動画の配信等により積極的に展開した全国募集のかいもあって、何と17人もの新入生を迎えることができました。このPR動画は、生徒自らが主体となって制作したもので、豊かな自然の中で学ぶ教育方針や盛んに行われる部活動、自立した寮生活、せんたん部の活動等、本校の魅力を詰め込んだすばらしい内容となっており、生徒が持つ地域課題に対する意識の高さとその礎となる先駆的な教育環境の存在がうかがえます。  一方、新型コロナウイルス感染症の想像以上の拡大を受け、一部の住民からは、首都圏や関西圏からの生徒の受入れに対する不安の声も上がったと聞きます。  県教育委員会では、生徒に発熱等の症状が出ている場合や感染者の濃厚接触者に特定された場合においてのみ、自宅待機を要請する旨の指針を出しておりましたが、最終的に三崎高校では全ての寮生について、保護者に了解を得た上で登校を控える措置を取り、寮での自主学習は出席扱いとし、毎朝教員が寮を巡回して健康状態を確認、登校する生徒と同じプリントで学習を進めるという万全の対策を講じられたとお聞きしました。  目の前にある教室に入れない生徒の気持ちに思いをはせ、学力に差が出ない教育体制の構築に苦慮された先生の御苦労は計り知れず、一日も早い新型コロナウイルスの収束を願うばかりです。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響が見通せない中、県外からの生徒を受け入れる県立高校の全国募集の状況と今後の見通しについてお聞かせください。  最後に、県立三崎高校の存続に関して、県立高校等の再編整備についてお尋ねをいたします。  今議会では、三間高校及び津島高校の分校化に関する県立学校設置条例の改正案が上程され、両校の関係者や地域住民の心中を察しますが、分校化後も地域に根差した魅力ある学校づくりに御尽力いただきたいと思います。  県立高校等の再編整備の見直しについては、一昨年の9月議会で質問いたしましたが、教育長から単なる統合ではなく、生徒にとってよりよい教育環境の提供を主眼に地域の状況等を踏まえ、地方創生への貢献等も考慮し総合的に研究する旨の答弁をいただき、一歩前進したと感じておりました。そして、今年の2月議会において、同会派の毛利議員から質問がなされ、副教育長から、関係者等で構成される検討委員会において小規模校の存続等の県立高校の在り方について協議し、新たな計画の5年度からのスタートを目指す旨の答弁があり、これまで議場でも求め続けてきた再編整備の見直しがいよいよ現実のものになると大きな喜びを感じたところです。  今月初めには、県立学校振興計画検討委員会の初会合が開催され、3年度初めに中間報告、4年度初めには最終報告をまとめるスケジュールが確認されたとお聞きいたしました。少子化に伴う生徒数の減少を踏まえ、分校化、募集停止などの再編整備基準の見直しや魅力ある学科、コースの新設等について協議するとのことで、三崎高校の存続に希望が持てる振興計画になるよう、大きな期待を寄せております。  また、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会が現在の高校普通科を再編し、普通科に加えて学際融合学科と地域探究学科の2学科を4年度にも設ける案を示したとの報道もあり、昭和23年の新制高校発足以来の再編は、地方創生の令和の時代に見合ったものになると期待しております。特に地域探求学科は、地元の自治体や企業、地域をつなぐコーディネーターと協力し、地域社会の課題に取り組むとしており、まさに地域と一体になり三崎おこしを実践している三崎高校のための学科であると思え、今後の動向を注視したいと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  県立学校等の再編整備に今後、どう取り組んでいくのかお聞かせください。  以上、「いつまでも暮らしていける南予に、そして愛媛に」実現に向けた質問を終わらせていただきます。  御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 高橋議員に、まず、コロナ禍における地域経済の立て直しについての御質問にお答えをいたします。  少子高齢化や都市部への人口流出、デジタルシフトの遅れなど、多くの課題を抱える地域経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、深刻な影響を受けていることに加えまして、3密リスクの回避など新たな生活・行動様式が求められており、この機に県内事業者の事業継続を支援しながら、遅れているデジタル化や移住・定住の推進などの取組も一気に進め、地域経済の活性化につなげていくことが重要と認識しています。  このため、非対面・非接触型の新たなビジネスモデルへの転換に向けて、ECサイトの構築やキャッシュレス決済の導入など、地域経済を支える県内事業者のデジタルシフトを加速させるとともに、サテライトオフィスの誘致に向けた施設整備を後押しし、企業のリスク分散も見据えた地方移転の動きをしっかりと捉えるほか、テレワーカー等の移住促進にも取り組み、産業人材の確保につなげたいと思っております。  さらに、各市町においても、飲食店応援キャンペーンやプレミアム商品券の発行など、地元消費の拡大等に向けた多様な施策を実施しており、県としても引き続き、市町や経済団体等と緊密に連携しながら、地域の現状を踏まえた地域経済の立て直しに全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、伊方原発に関する御質問でございます。  県では、伊方発電所の安全対策には終わりはないとの信念の下、3号機の再起動の際の本県独自の8項目の追加対策はもとより、1月の連続トラブルにおいても、原子力本部長が発電所に常駐するよう要請。また、背後要因も含めた徹底的な調査と実効性ある再発防止策の検討を行うほか、コロナ対策として県外作業員へのPCR検査を求めるなど、安全確保に必要な事項を、繰り返し、都度都度要請してきたところでございます。  四国電力では、これらを着実に実施しておりまして、その対応については評価をするものでございます。しかしながら、一連の連続トラブルにより、県民の不安と不信感はかつてなく高まっていますことから、四国電力にはこのことを全社挙げて改めて認識していただき、社長の強いリーダーシップの下で、再発防止策を一つ一つ確実に実施するとともに、関係者全員が緊張感を持って、安全性の不断の追求など、定期検査再開に当たり、私の方から示させていただきました7項目の要請に全力で取り組み、伊方発電所の安全確保と県民の信頼回復に邁進していただきたいと思います。  県としては、四国電力の取組状況をしっかり確認するとともに、運転の有無にかかわらず、安全確保を最優先にした取組と、そして、信頼関係の源であるえひめ方式の連絡報告体制の徹底を求め続けていくこととしており、絶対に事故を起こさせないとの強い決意の下、伊方発電所の安全確保に万全を期してまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきます。 ○(山口真司公営企業管理者) 議長 ○(戒能潤之介議長) 山口公営企業管理者   〔山口真司公営企業管理者登壇〕 ○(山口真司公営企業管理者) 県立病院の経営状況と中期経営戦略に関する御質問にお答えをいたします。  感染症指定医療機関である中央病院をはじめ県立病院は、これまでに県内の入院患者の約半数を受け入れるなど、本県の新型コロナウイルス感染症の医療提供において中心的な役割を果たしております。  一方で、新型コロナへの対応や受診控えが経営面に及ぼす影響は大きく、県立4病院の患者数は、6月以降緩やかな回復傾向にはありますものの、前年に比べ、4月から8月までは入院が約18%、外来が約17%減少し、この5か月間の診療収入は約17億円、約11%の減収となる見込みであります。国の支援策も最大限活用し、収支改善に努めておりますが、今後は、インフルエンザとの同時流行も懸念され、県立病院の使命として新型コロナ対応に注力することとしており、現時点では経営の先行きは見通せないところであります。  こうした大変厳しい状況にはございますが、今後5年間の中期経営戦略を策定するため、検討委員会を設置し、感染症医療の強化、働き方改革への対応、施設の老朽化対策等の基本的な方向性について検討を開始したところでありまして、コロナ禍にあっても、県立病院が県民の信頼に応えることができるよう、質の高い医療提供体制の確保と経営の健全化に向けた新戦略を取りまとめたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 八西地域の道路整備に関する御質問のうち、大洲・八幡浜自動車道の取組についてお答えをします。  大洲・八幡浜自動車道は、大規模災害時の緊急輸送や万が一の原発事故の際の広域避難・救援の軸となるほか、八西地域の地場産業や観光の振興に加え、九州から四国経由で京阪神を結ぶ新たな国土軸の一翼を担い、人流・物流を支えるなど、多様な効果を発揮する道路であり、県の最重要施策の一つに掲げ、重点的に整備を進めているところでございます。  現在整備中の3工区のうち、八幡浜道路については、2本のトンネルの本体工事を終え、八幡浜インターチェンジでは萩森高架橋の下部工が完成し、年内には橋桁の架設工事にも着手する予定であり、八幡浜東インターチェンジでは、郷高架橋の橋台工事や大規模な地滑り対策を進めているところでございます。  続く夜昼道路は、八幡浜市側でのり面や橋梁下部工事を、大洲市側で用地買収や大洲平野インターチェンジの切土工事を進めており、大洲西道路では測量や調査を行っております。  県といたしましては、まずは八幡浜道路の令和4年度供用を目指し、着実に整備を進めるとともに、地元市町とも連携し、必要な予算確保を国に強く要望するなど、一日も早い全線開通に向け、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、国道378号の整備についてお答えをいたします。  国道378号のうち、八幡浜市から宇和島市に至る海沿いの区間については、急峻な地形から迂回路がなく、大規模災害時には緊急輸送道路となるとともに、柑橘農業や水産業等の地場産業を支える道路として重要な役割を担っており、八西地域の住民にとっても不可欠な道路であります。  現在、八幡浜市内においては、2か所で改良工事を進めており、大釜地区では来年度バイパス区間を完成させ、全線700mが供用の見込みであります。また、上泊地区では、市の漁港事業との合併区間を先行し、これまでに護岸工事を終え、今後、背後の埋立て等を行う予定であります。  なお、慢性的な渋滞が発生している祇園橋交差点につきましては、関係者との用地交渉が難航しておりますが、今後も引き続き、粘り強く交渉を続けていくこととしております。  また、真網代地区を含む未改良箇所につきましては、沿線に漁港や人家連担地区があるほか、大きな埋立てや切土等を伴う大規模事業となることから、整備方針等について検討することとし、まずは整備中の2か所を優先して早期完成を目指し取り組んでまいりたいと考えております。 ○(田所竜二教育長) 議長
    ○(戒能潤之介議長) 田所教育長   〔田所竜二教育長登壇〕 ○(田所竜二教育長) 県立三崎高校に関するお尋ねのうち、まず、県立高校の全国募集についてお答えをいたします。  県教育委員会では、少子化等により小規模化が進む県立高校を対象に、学校の魅力化を促進することで入学者を確保し、学びの活性化を図ることを目的として、平成31年度入学者選抜から、実施基準を満たす8校で全国募集を開始し、翌年の令和2年度には13校に拡大、入学者も11名から45名に増加する実績を上げており、現在は令和3年度募集に向け、14校16学科で取組を進めております。  これらの学校では、全国募集を機に学校の在り方全般を見詰め直し、産業や自然・文化等の地域資源を生かした全国にも通用する特色ある学校づくりに取り組むとともに、生徒自ら知恵を出し合い、PR動画作成やオープンスクール、大都市圏での学校説明会など、熱意あふれる募集活動を展開してまいりました。また、地元市町を中心に、教育活動への協力はもとより、宿舎の提供や公営塾の運営等の数々の温かい御支援をいただいておりまして、県外からの生徒の増加はこうした学校と地域が一体となった取組のたまものと感謝をいたしております。  全国からの生徒の受入れは、子供たちに多様な価値観との出会いや視野の広がりをもたらし、人口減少に悩む地域の活性化にも資するものであり、コロナ禍により活動に制限がある中、オンライン説明会やSNSでの情報発信など、工夫を重ねながら、募集活動の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、県立高校等の再編整備についてお答えをいたします。  県立高校では、急激な少子化により1学年2学級以下の学校が全体の27%を占めるなど、小規模化が進むとともに、中学校卒業者数は今後も減り続け、10年後には1,400人程度の減少が見込まれるなど、現行体制の維持は難しくなる状況の中で、今回の再編整備では学校の適正規模や配置基準をゼロベースで見直しながら、生徒によりよい教育環境を提供でき、地域の期待にも応えられる学校再編を目指すこととしております。  先般開催いたしました第1回の検討委員会では、県立高校を取り巻く状況や将来方向などが議題となり、再編が地域に与える影響や、中堅校の普通科や小規模校の魅力化、育てたい生徒像や教育成果の設定、地域、民間、大学との連携による学校の活性化などについての問題提起や意見交換を行ったところでございます。  今後は、並行して開催いたします県内8地区での地域協議会を通じ、地域の行政・教育・住民からの意見もお聴きしながら、令和4年度の計画策定に向け意見を集約していきたいと考えております。  地方の人口減少や経済停滞が続く中、学校は人材育成や地域振興の拠点として一段とその重要性を増しており、10年後の社会や地域像を見据えた学校再編の姿や国の改革方向も踏まえた特色ある学科の改編などを議論しながら、そこで学べたことを子供たちが誇りに思えるような魅力ある学校の在り方を地域とともにしっかり検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時44分 休憩    ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(兵頭竜議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 兵頭竜議員   〔兵頭竜議員登壇〕 ○(兵頭竜議員) (拍手)愛媛維新の会、兵頭竜です。  本年6月、いつもなら県総体が行われているとき、高校3年生の息子が小学校から続けてきたサッカー、最後の公式戦を行うことなく、紅白戦で終了となりました。競技団体や関係機関と連携して様々な舞台を用意しても、コロナウイルスで切れた気持ちを取り戻すことはできず、引退の道を選択しました。コロナの影響は子供たちに大きな影を落とし、特に、最終学年で仲間と共に集大成を飾ろうとしてきた子供たちにはかける言葉も見つかりませんが、この苦しみを忘れず、頑張ってほしいと思います。まだまだ収束が見えないコロナウイルス。今後も様々な影響があると思いますが、時にかじを切り替えながら、この難局を乗り越えていかなければならないという思いを込めて、質問に入ります。  まず初めに、災害時の避難所運営についてお伺いします。  私は西日本豪雨災害を経験し多くのことを学び、たくさんの支援を受けて、今日までの歩みを進められており、携わっていただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいでありますが、毎年のように起こる災害の中で、報道等で目にする避難所の映像を見るたびに、あのときのことがフラッシュバックし、そこから目を背けたくなる自分がいます。多くの方々のおかげで避難所生活が送れましたが、プライベートがない空間は、今思っても非常に厳しいものがありました。共同生活を送った人が、ふだんからコミュニケーションが取れていたことで無事に過ごすことができましたが、人間関係が希薄になっている現代において、その状況にないところは、また違った課題が出るのだろうと思います。また、避難所は一時的なもので、一日も早い仮設住宅等の設置が求められ、西日本豪雨災害以降、愛媛県でも対策が加速したと認識しております。  その中で、今年はコロナウイルスの影響で避難所運営が大きく見直され、熊本県に派遣された自治体職員のコメントが新聞等でも掲載されていましたが、新たな課題が浮き彫りになり、我が県にとっても、その対策は急務だと考えます。  まず、感染症対策として、避難所の収容人数の定数を減らすことは、危機的な状況において困難を極めると感じており、被害が大きくなる想定の中では、避難所自体の数が不足する懸念が生じてきます。余力があればあるほど安心につながりますが、人口密集地等ではそう簡単なことではなく、災害発生時には多くの方が身を寄せるので最大の数を想定しなければなりません。  また、多くの避難所が確保できても、それに合わせて運営スタッフも必要となるなど人的確保もしなければならず、これだけでも感染症の影響をクリアするのは大きな課題であると言えます。そのような状況になると、避難所から車中泊や被災した自宅、知人宅等に身を寄せる人も増加することとなり、東日本大震災や熊本地震でクローズアップされたエコノミークラス症候群などのケアや対策も必要となってきます。  そういった中、本年4月には、国から避難所における新型コロナウイルス感染症へのさらなる対応についての通知がありました。その中にある民間のホテルや旅館等の活用などは有効な対策だと感じており、県内自治体でも、宿泊施設に避難する方に利用料金の補助をする制度を創設するなど、対策が講じられていることは心強い限りであります。  また、2年前、私が初めに避難した場所は地元の中学校の体育館でした。7月の時期でしたので雨が上がると連日の暑さが続き、エアコンがある生活に慣れた現代では過ごすのに苦労したのを覚えております。用意された扇風機やスポットエアコンは、人数分に行き渡るはずもなく、体調を崩し入院を余儀なくされた方も出ました。私自身、なかなか寝つけず、暑さが収まる深夜まで外で過ごし、それから寝つくという生活を続けていました。その後、エアコンが設置された小学校の体育館に移動した際には、現代の当たり前のエアコンに改めて感動をしました。恐らく愛媛県内でも、学校の体育館は避難所に指定されているところが多いと思います。昨今の熱中症対策も踏まえると、体育館へのエアコン設置は有効で理想的ではありますが、設置費用やランニングコスト等の問題も加味しながら検討していかなければなりません。  また、現在は、学校の教室にエアコンが設置されました。教室を避難所として使用することは、プライバシーの確保や感染症対策からも有効な手段の一つであります。しかし、西日本豪雨で避難していた際、体育館でさえ、子供たちのことを考えると早く開放しなければならないと思っていたことは、被災した人の共通認識でした。教室であれば、なおさら子供たちの教育を受ける場所を奪う形になり、被災者にとって本望ではないと思います。  そこで、お伺いします。  新型コロナウイルス感染症への対策等を踏まえた災害時の避難所運営の様々な課題に対し、県としてどのように対応していくのか、御所見をお伺いします。  次に、河川改修についてお伺いします。  私たちが経験した西日本豪雨や昨年の台風19号、21号での豪雨、そして今年の熊本県など、毎年のように大雨が日本列島に降り注ぎ、多くの災害をもたらしていることは御案内のとおりであります。そのたびに過去に経験したことのない雨、数十年に一度の雨という言葉を耳にしますが、このように続くとあれば、これが普通と考えなければならないと感じています。  しかし、私も県議会の質問などで何度も発言させていただきましたが、人間は経験するまでは危機感を抱くことができないのが当たり前で、有事の際の対応は、危機感の大きさで被害が決まるように思えます。被災者はいつまでも、あのとき、ああすればよかったという後悔の念に駆られ、その傷は癒えることはなく、時が解決する部分があるかもしれませんが、恐らく後悔を引きずりながら生きていくのだろうと思います。  そのような中、少しでも被害を軽減するために、様々な角度から対策を講じていくことは言うまでもありませんが、昨今の雨の状況を見ると、河川改修は住民の最も気にしている防災対策の一つであり、住民自身が安全性が担保されていると実感することができる、効果が見えやすい対策だと思います。  先日、野村地区において、肱川水系河川整備計画に基づく河川改修事業の住民説明会が開催され、2年前の災害以降、河川について考えることが多くなった住民から強い関心が寄せられました。河川改修の概要は、野村ダムの毎秒1,000tの放流に支川等からの流入を加えても1mの余裕高を確保できるように改修し、令和6年までの完成を目指すもので、一日も早い完成が望まれます。  しかし、住民説明会において、2年前の豪雨災害の際、野村ダムの異常洪水時防災操作で毎秒約1,800tの放流が行われたことから、1,000t放流に耐えられる河川では不安が払拭できないことや、詳細な設計によって出された流量の計算によって引堤が変更になったことへの不安等が出されたことは、この改修計画を否定するものではありませんが、住民が強く安全を望んでいる結果だと感じました。  この河川改修が完成すれば、大洲地域の河川改修や野村、鹿野川ダムの操作規則の変更等で、西日本豪雨規模の雨が降った際に被害が軽減されると頭では分かっていて、河川改修に理解を示し、県をはじめ関係者に感謝していても、住民の念頭にあるのは、近年の大雨が頻発する気象状況とダムの放流後発生した2年前の災害のショックであり、将来生じるかもしれない災害に対して安全性が高くなることを切実に求めているものだと思います。  このように、近年の状況を考えたとき、大洲や野村地区のように過去に被害が大きかった地域は、重点的にスピード感を持って対応できているものの、予算にも限りがある中で、県管理河川全てにおいて万全であるかといえば難しいものがあると感じています。そのため、ソフト・ハード両面において、地元と連携しながら対応していかなければなりません。とりわけ野村地区のように、100年に一度の降雨に耐えられる河川改修を進めることや、近年の降雨状況に鑑みながら、県の河川行政について考えていくことが求められます。  そこで、お伺いします。  近年の気象状況に鑑み、防災対策のため、今後、県としてどのような方針で河川改修を進めていくのか、お聞かせください。  また、西日本豪雨災害以降、野村地区において前述の河川改修の着実な実施のほかに、多額の予算を割いていただき、即効性のある対策として河床掘削が行われてきました。このことは特に目に見える対策として有効であり、河床が下がる光景に、私自身も安心感が増しているところであります。しかしながら、まとまった雨が降るたびに、上流からは新たな土砂が流れてきて河床に堆積することとなり、河床掘削の継続性が求められているのも事実です。河川改修が完了すれば水の流れも変化し、土砂の堆積にも変化が見られるものと期待しておりますが、現状では、引き続き河川改修と河床掘削を防災対策の両輪として併せて考える必要があります。  このような中、今定例会にも河床掘削に係る予算案が上程されており、本事業の重要性を御理解いただいているものと心強く感じております。河床掘削については、私も実際に幾度となく地域の要望を受けて様々な現場を確認いたしましたが、特に河川の近隣に暮らす人にとって、河川の大小を問わず、大きな課題であります。しかし、県全体では要望箇所も多いため、県単独の事業では限界があることも理解し、優先順位をつけながら今後も進めていかなければなりません。  毎年、肱川流域の3市町と共に、知事に対して浸水被害防止に向けた要望をさせていただいておりますが、過去の要望の際には、内子町の小田川で、河床掘削のおかげで河川の氾濫を免れた事例を報告させていただいたこともあります。河床掘削の事業の有効性は、誰もが認めるところであると思います。  また、大規模な河床掘削となると、国の事業を積極的、有効的に活用する必要があると感じております。西日本豪雨災害以降の野村地区の河床掘削も、国からの予算を活用した事業だと聞いており、実際に、河川改修の住民説明会等において、改修と併せた継続的な河床掘削の必要性を望む声は多く寄せられております。また、このコロナウイルスの影響によって、このような防災対策に係る国の予算が削られていくのではと不安の声も聞かれるところであり、今後の対策において、継続的なものが求められております。  そこで、お伺いします。  大規模な河川改修に併せて、河床掘削等を継続的に行うことは重要であり、そのためには国の国土強靱化の取組と連携して進めていかなければならず、この予算確保を国に強く求めていくべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、市町と連携したデジタル化の推進についてお伺いします。  今年に入り、コロナ禍によって我々の生活は大きく変化しました。3密を回避するため、買物の手段としてECの売上げが大幅に増加し、UberEatsといったスマホアプリを活用した宅配サービスも、松山など一部地域ではありますが、県内でも始まりました。また、仕事の面でも変化が起きています。在宅勤務が求められて、テレワークの導入が一気に進むとともに、コロナ感染者数が多い都市部への出張を回避するための代替手段として、オンライン会議の導入もかなりの勢いで進んだと認識しています。  私は、地方議員有志の勉強会であるLS・21のメンバーとして、ローカル5Gによる地域振興に取り組んでおりますが、キックオフとなる7月3日の第1回勉強会は、コロナの感染拡大防止という観点も踏まえてオンライン会議で開催し、県内20市町の職員をはじめ、民間企業など100名を超える参加者があり、私自身も初めてのオンライン会議でしたが、このシステムの予想以上の使いやすさに驚きを感じました。  さらに、8月11日の第2回勉強会では、四国初となるローカル5G用無線局の本免許を取得した愛媛CATVによる県産業技術研究所内に設置した基地局と端末を使ったデモンストレーションを視察しました。前回同様、20市町や大学、企業担当者などがリアルとデジタルで参加したこの勉強会では、最新技術を目の当たりにするとともに、このようなデジタル技術を地方の活性化のために活用していかなければならないと思いを新たにしたところです。  一方、LS・21による勉強会開催に当たり、県内20市町の皆様とも話す機会がありました。その中で、三者三様、地域課題も異なり、地域特性がありますが、皆がこのデジタル技術を生かして課題解決したいという思いがあるのはどの自治体も同じであると感じました。しかし、デジタル化に対する関心は市町によって温度差があり、もちろん市町を取り巻く状況やマンパワー、財政規模などは大きく異なるため、県内20市町が全く同じスピード感で取り組むことは難しいと理解していますが、日進月歩で進化するデジタル技術をいかに活用するかという取組姿勢の違いが、地域の発展に差をつけるのではないかと考えます。ウィズコロナの時代においては、デジタル技術を活用して新しい生活様式を実践していくことができるよう的確に対応することが、市町にも求められると考えます。  このような中、県では今年度、地域課題の解決にデジタル技術を効果的に活用することを目的としたデジタル総合戦略(仮称)の策定作業を進めるとともに、デジタル化に対応した新しい働き方のスタイル構築に向け、率先して取り組んでいると伺っています。このような取組を進めている県には、日々現場で課題解決に当たっている市町の意見を酌み取るとともに、市町と連携を密にしながら、県内全体のデジタル化に取り組んでいくことが求められていると考えます。そして、戦略策定後には、県と市町がワンチームとなり、デジタル先進県を目指していただきたいと期待しているところです。  そこで、お伺いします。  市町とどのように連携してデジタル化を推進していくのか、考えをお聞かせください。  次に、愛媛県のeスポーツの普及に向けた取組についてお伺いします。  改めて申し上げるまでもなく、スポーツには、する、見る、応援する、支援するなど様々な楽しみ方があり、私たちに夢や感動、勇気といった生きる力を与え続けています。そのような中で、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、東京オリンピックや各種プロスポーツ、インターハイや夏の甲子園など、数多くのスポーツイベントを中止や延期に追い込み、アスリートたちに計り知れないダメージを与えただけでなく、私を含めスポーツを愛する多くの県民から、スポーツに接する貴重な機会を奪いました。ようやく7月からプロ野球やJリーグも観客を入れて公式戦が実施できるようになり、各地で様々な代替大会も開催されるようになりましたが、感染予防のための検温や手指消毒の徹底、入場者数の制限、座席間隔の確保、感染者が出た場合に備えて観客に対する事前の身元確認など、多くのことに配慮しなければならず、元の姿からは程遠いものがあります。加えて、今後のコロナウイルス感染症の冬期の感染拡大の可能性等を考えると、本当にこの先、これまでのようにスポーツを十分楽しみ、親しむことができるのか不安でなりません。  こうした中、テニスの錦織選手や大坂選手、アメリカプロバスケットボールの八村選手、スペインサッカーリーグに所属する岡崎選手など日本を代表するアスリートたちが、自宅からスポーツゲームの腕前を競うオンラインでのeスポーツ大会に参戦し、ステイホームの呼びかけやチャリティーマッチなどの社会貢献も併せて行われるなど、eスポーツを活用した新しい取組が話題となっています。  eスポーツは近年、様々な形を取りながら、民間主導で盛り上がってきており、国においても昨年度、eスポーツの持つ経済的効果や教育的効果などが議論され、高齢者や障がい者の参画を促すことで、共生社会や健康長寿社会を実現していくことなども提言されたと聞いており、eスポーツの社会的意義の大きさに驚くとともに、その波及効果に期待を寄せているところです。  県におきましても、eスポーツの魅力を広く伝えようとの考えの下、障がい者への普及促進を大きなテーマとし、健常者との相互交流を深める機会の創出やITリテラシーの向上、さらには、障がい者の知識の向上や就労支援などにも取り組んでいると聞いております。  先般、私も松山市で放課後等デイサービスを運営するマルクスコラを視察しました。そこでは、障がいのある児童が部活動としてeスポーツに取り組み、チーム名、マルクスコラサイクロンズとして、勝ち負けをはじめ、先輩や後輩との関わり方やチームの中での自分の存在を意識してコミュニケーションを取ることなど、仲間と共に部活動でしか得られない時間を過ごす姿は印象的でした。サイクロンズの子供たちは、6月に愛媛県主催で行われた避けよう3密eスポーツ体験会に参加し、愛媛FC、愛媛マンダリンパイレーツ、愛媛オレンジバイキングスの選手とeスポーツでオンライン対戦しました。そこで子供たちとプロスポーツ選手の双方が歓喜する姿に、私自身もeスポーツの持つ可能性を大きく感じた次第です。今後もいろいろな大会に参加、挑戦していくチームサイクロンズの一層の活躍を楽しみにしたいと思います。また、eスポーツが県民の方にとってより身近なものになるよう、今後のさらなる県の取組に心から期待を寄せるところであります。  そこで、お伺いします。  年齢や障がいの垣根を越えて競い合い、楽しむことができるeスポーツの普及に向け、県として、今後、どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  最後に、みかんアルバイターの確保についてお伺いします。  一昨年の豪雨災害を乗り越えて柑橘栽培を継続し、懸命に努力してきた農家にとって、被災後3回目の収穫を迎え、ようやく回復の道筋が見えてきたところと感じています。10月下旬から本格的な柑橘の収穫シーズンとなりますが、豊かな実りで生産者が笑顔になれることを期待するとともに、南予出身の議員として、私もしっかりと御支援したいと考えています。  御承知のとおり、南予地域の園地は急峻な地形が多いため、収穫作業には若い労働力が不可欠であり、高齢化が進むこの地域においては、作業に慣れたみかんアルバイターはなくてはならない存在となっています。毎年、県内外から延べ2万人をも超える方々が収穫作業等に従事されておりますが、産地を守り、柑橘王国愛媛を発展させるために貢献いただいているみかんアルバイターの皆様には心から感謝しなければならないと思います。  しかしながら、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により状況が一変しており、アルバイターは感染予防で3密を回避するため、これまでのように農家にホームステイしたり、共同宿泊所に宿泊することができなくなったばかりか、最悪の場合、来県できない事態も想定され、収穫作業に従事する労働力を確保することが大変難しいと伺っております。  このような中、先日、県内の若手青年農業者で組織する県青年農業者連絡協議会が、農閑期に会員によるサポートを行うことが決まりました。将来の本県農業を担う若い農業者が、仲間たちを思い、助け合う行動に感銘を受け、その連帯意識の強さを感じたところです。  また、それぞれの産地では、感染予防に係るガイドラインを策定し、農家とアルバイターが安心して生活し、作業に従事できるよう安全対策を強化しているほか、学生や他産業の事業所への協力要請、人材紹介サイトへの登録など、多種多様な手段を用いて人材を確保するために奔走しており、柑橘農家の方々は、今年は農作業以外のことが大きな負担となっていると伺っております。  新型コロナウイルスの蔓延を防止し、農業従事者と地域住民の安全を確保しながら産地を守っていくためには、県や市町、地元JAなど地域が一体となってサポートする必要があると考えておりますが、県では、8月補正予算でみかんアルバイター確保緊急支援事業を創設され、産地を支援することとされました。このスピード感のある対応により、アルバイターの確保が順調に進むことを期待するところであります。  そこで、お伺いします。  本年の収穫開始まであと1か月程度に迫る中、みかんアルバイターの確保に向けて、どのように産地を支援していくのかお聞かせください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 兵頭議員に、まず、河川改修に関する御質問にお答えをいたします。  県では、一昨年の西日本豪雨災害からの創造的復興を県政の最優先課題に掲げまして、肱川において、いわゆる激特事業による再度災害防止に集中的に取り組むとともに、これまで県民の生命・財産を守るための防災・減災対策として、河川改修などの治水対策を積極的に推進しているところでございます。  一方、近年の激甚化、頻発化する豪雨などに対応するため、気候変動に即応した水害対策として、今回の補正予算案にも、河川の水位低下に即効性のある河床掘削の経費を大幅に増額して計上させていただきましたほか、浸水被害を最小化する堤防補強などのハード対策を深化させるとともに、既存ダムの利水容量を活用して、洪水調節機能を高める事前放流の導入、住民の避難等を支援する防災士の養成などのソフト対策を強化しているところでございます。  さらに今後も、事前放流などのソフト対策を拡充することに加えまして、国や市町と連携し、流域全体のあらゆる関係者が協働して水害の軽減に取り組む流域治水プロジェクトを策定するなど、気候変動を踏まえた治水対策を展開しながら、ハード対策の軸となる河川改修を着実に推進することで、県民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、市町との連携によるデジタル化についての御質問でございます。  デジタル技術は、人口減少等が急速に進む中、持続可能な地域社会を実現するとともに、ウィズコロナ社会における新たな日常を構築する上でも積極的な導入が求められており、県としても市町等と緊密に連携しながら、県民生活の利便性向上をはじめ、地域振興や行政の効率化など様々な分野で効果的な活用を進めていく必要があると認識しています。  このため、昨年度から県や市町職員を対象にデジタル技術の利活用に関する研修会を開催しまして、デジタル変革に向けた意識醸成や知識の習得など人材育成に努めているほか、本年度策定いたしますデジタル総合戦略(仮称)においては、各市町にデジタル化に向けた地域の課題やニーズ等をお伺いして、住民の暮らしに最も身近な基礎自治体が直面する現場目線での課題にもしっかりと対応できる取組を戦略の大きな柱として盛り込みたいと考えています。  また、戦略策定と並行し、現在構築に取り組んでいる官民対話型のデジタルプラットフォームでは、県や市町、民間企業、教育機関等がウェブ上で地域課題を提示し、解決に向けた協議・検討を自由に行える先進的な取組を導入するほか、今月配置いたしましたデジタルコーディネーター等を活用し、市町からの専門的な相談にも対応したいと考えており、今後とも、本県が培ってきた県・市町連携の強みを最大限発揮しながら、県内のデジタル化を加速してまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(大北秀スポーツ・文化部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 大北スポーツ・文化部長   〔大北秀スポーツ・文化部長登壇〕 ○(大北秀スポーツ・文化部長) eスポーツの普及に向けた取組についてお答えします。  eスポーツはオンラインで対戦できるため、新型コロナへの感染リスクが少なく、ウィズコロナ時代の新たなトレンドとして注目が高まっており、健常者と障がい者が垣根なく公平に競い合えるという特性も有していることから、県では、共生社会を実現するためのツールとして捉え、障がい者に重点を置いた施策を展開しております。  本年度は、特別支援学校等の普及モデル施設を4か所選定し、専門の講師を派遣して、機能訓練等への活用を支援する取組を行っており、現在、約70名の障がい者が手指の器用さを高める訓練や思考力を磨く課題などに活用しております。  また、先般、避けよう3密eスポーツ体験会を実施し、その模様が放映されましたところ、当該施設の利用希望が増加したほか、他の障がい者等支援施設からも実施要望が寄せられるなどその反響は大きく、確かな手応えを感じたところでございます。  このため、今後、モデル施設を2倍以上に拡充するとともに、レッスン内容を充実させるほか、新たな交流大会を開催することとしており、引き続き、eスポーツの障がい者へのさらなる普及に向け、多様な取組を精力的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長
    ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) コロナ対策を踏まえた避難所運営に関する御質問にお答えをいたします。  コロナ禍で、熊本県を中心に甚大な被害が発生した7月豪雨では、3密回避のため、多くの避難所開設の必要性や、それに伴う運営職員、衛生資材の確保、ホテル等への分散避難者への支援など、様々な避難所運営の課題が指摘されており、県全体で対策を講じる必要があると認識をしております。  県では、本年6月に新型コロナウイルスへの対応を盛り込んだ避難所運営ガイドラインを策定し、災害時の対応を避難所の運営主体である市町と協議するなど積極的に支援をしてきたほか、7月豪雨の課題に速やかに対応するため、8月補正予算で、避難所として活用する集会所の空調やトイレの改修等の支援、避難所での感染予防に必要な衛生資材の県での備蓄など、市町に対する支援をさらに強化したところでございます。  さらに、8月末の県総合防災訓練では、避難所の感染症対策に重点を置き、有症状者の対応や車中泊の避難者への支援、熱中症対策を想定したスポットクーラーの設置など実践的な訓練を実施し、関係機関と課題を検証して、さらなる改善を図ることとしております。  また、万が一の災害時には、国等と連携したエアコンなどの資機材支援や、市町と連携した応援職員の派遣を速やかに行うこととしておりまして、コロナ禍での避難所運営が円滑、適切に実施できるよう、チーム愛媛で全力で支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(馬越史朗農林水産部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 馬越農林水産部長   〔馬越史朗農林水産部長登壇〕 ○(馬越史朗農林水産部長) みかんアルバイターの確保についてお答えいたします。  柑橘産地の収穫などをサポートするために、毎年、県内外から集まるみかんアルバイターは、産地にとって貴重な戦力であり、コロナ禍の渦中にある今年の人員確保は喫緊の課題であることから、県では、6月に関係機関・団体による県農業労働力確保緊急支援協議会を設立するとともに、地方局・支局単位でも地元市町やJAとの協議の場を設け、具体的な感染防止対策や募集方法を協議してきたところでございます。  アルバイターの募集は既に8月末から開始されており、新聞広告や人材派遣会社を通じて広く県内の人材を募集するとともに、県商工会議所連合会などの協力も得ながら、県内の企業や大学にも支援を要請しているところでございます。加えて、八幡浜地区の一部の農家では、感染防止対策を徹底しながら県外の経験者にも声をかけるなど、あらゆる手段を講じておりまして、県青年農業者連絡協議会からの協力もあって、既に昨年実績の半数程度は確保の見通しが立ったと聞いております。  県といたしましては、8月補正予算で措置した国の支援対象とならないアルバイターの宿泊費や、宿泊施設、選果場の感染防止対策への財政支援を的確に行うほか、即戦力となる人材を一人でも多く確保するため、近隣の農業者組織に協力を依頼するとともに、週末等のボランティアによる参加も広く呼びかけるなど、募集活動を全力でサポートし、生産者が安心して収穫期を迎えられるよう支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 河床掘削に関する御質問にお答えをします。  本県の地形、地質は急峻かつ脆弱であり、斜面から多くの土砂が流出し河川に堆積することに加え、近年、豪雨が頻発していることを踏まえると、治水安全度の向上に即効性のある河床掘削は極めて有効な手段であり、地域からの要望も多く寄せられているところでございます。  このため、県では、土砂の堆積や背後の土地利用などの状況を勘案しながら、県単独事業の実施や国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策等を活用して、河床掘削や樹木伐採に取り組んでおり、今回の補正予算案では、本年7月の豪雨等により堆積した土砂の撤去にスピード感を持って対応するため、必要な経費を計上したところでございます。  今後も、県民の安全・安心につながる河床掘削をはじめとする防災・減災対策事業を継続していくためには、安定的、持続的な予算確保が重要であることから、今年度が最終年度となる3か年緊急対策の期間延長などについて、重要要望をはじめ、あらゆる機会を通じて国に強く要望してまいりたいと考えております。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明19日、20日、21日及び22日は休日のため休会いたします。  23日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時44分 散会...